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レポート

第1回デフモルック西日本交流大会in大阪を開催しました

2025年10月5日(日)、大阪府高石市の「カモンたかいし」にて、「第1回デフモルック西日本交流大会in大阪」が開催されました。

「デフ(Deaf)」とは、耳がきこえない人やきこえにくい人を指す言葉です。本大会は、ろう者・難聴者(耳がきこえない・きこえにくい人)と聴者(耳がきこえる人)がモルックを通して交流を深めることを目的に実施されました。 開催地の高石市は、令和7年4月に「手話言語の理解及び普及並びにコミュニケーション手段の利用を促進する条例」を制定しました。
この条例は、手話が言語であることへの理解を深め、障がいのある方が自らに合ったコミュニケーション手段で情報を得たり、意思疎通が図れる環境づくりを推進するものです。


今回の大会は、その理念を体現する取組の一環として、一般社団法人日本モルック協会との共催により開催されました。大会には、ろう者・難聴者を含む16チーム(約40名)が参加。大阪府をはじめ、新潟県・広島県・秋田県・兵庫県・東京都など、全国各地から小学生から70代まで幅広い年代の参加者が集まりました。

今年4月には山形県で「第1回デフモルック東日本交流大会」が開催されており、今回の大阪大会はそれに続く形での開催です。西日本大会としては第1回ですが、東日本大会とあわせると「デフモルック交流大会」としては通算で2回目の開催となりました。初心者も多かったため、パンフレットにはルールやスコアシート記入方法を掲載し、開会式前にルール説明を実施しました。開会式では、高石市長・畑中政昭氏と高石市議会議長・明石宏隆氏が手話を交えて挨拶。また、大阪聴力障害者協会の今西伸行事務局長からは手話で大会やデフリンピックへの思いが語られました。日本モルック協会からは、今後の手話普及活動に役立てていただけるよう、モルック3台を高石市に寄贈しました。試合中は、東日本交流大会と同様に、制限時間の合図にホイッスル・フラッグ・手話通訳を併用。ホワイトボードでの掲示や名札・パンフレットを活用するなど、視覚的にもわかりやすい運営を行いました。


筆談でコミュニケーションを取る姿も多く見られました。手話を知らない参加者がその場で教わる場面もあり、交流の輪が広がりました。また、「モルックバンパー」を今大会で初めて導入しました。モルックバンパーはスキットルに取り付けるゴム製のカバーで、安全性やプレーの幅を広げる目的で開発されたものです。本大会の協賛企業であるOHSサプライ合同会社様が製造を手がけました。スキットルの散らばり方や転がり方が変化するため、最初は戸惑う選手もいましたが、次第にコツをつかみ、バンパー付きスキットルを一度に12本倒すなどのプレーも見られました。交流大会としては初の導入となり、参加者からは「新しい感覚で面白い」「子どもや初心者にも優しい仕様」といった声も寄せられました。

今年11月には、日本で初めて「デフリンピック」(耳がきこえないアスリートによる国際スポーツ大会)が開催されます。それを前に、昼休みには大阪聴力障害者協会の協力により「みんなのデフリンピック」上映会を実施。応援手話や競技種目の手話を学ぶ時間もあり、楽しく学びながらデフリンピックへの理解を深めました。また、一般財団法人全日本ろうあ連盟によるパネル展示では、デフリンピックやデフスポーツの歴史と魅力を紹介しました。笑顔と真剣さが交わる交流のひととき大会は、和やかな雰囲気の中にも真剣なプレーが続きました。

チームメンバー同士が本気で喜び、悔しがり、称え合いながら、午前の予選、午後の決勝トーナメント・フレンドリートーナメントを進行。最終的に、兵庫県と新潟県の選手によるチーム「武庫川モルックマメシーバ」が見事優勝を果たしました。おめでとうございます!日本モルック協会は、デフモルック交流大会を通じて、地域における障がい者スポーツの普及と、多様な人々がつながる交流の輪を今後も広げてまいります。